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 銀座線浅草駅を出てから雷門まで歩く間、商店街には細いしめ縄がめぐらせてあることに気付いた。そうか。今日ここに来るまではただの延々と続く日常の一日だったのだが、浅草に来てみて今はもうすでに年末と呼ばれる時期にさしかかっているのだと気付かされた。 12月18日。浅草寺は「納めの観音」と呼ばれる年内最後の観音様の縁日で、境内には羽子板市が立っている。今年も随分お世話になった浅草寺に御礼のご挨拶かたがた、華やかな市の賑わいを堪能しに行こう。

 まっすぐ続く仲見世通りの頭上には、来年の干支の羊や門松やらのおめでたいモチーフの飾りが舞っている。浅草はいつ来たってどこかお祭り騒ぎの雰囲気をたたえているが、縁起物が賑々しく頭上を舞っていると、やはりスペシャルな感じは増す。芋ようかん、きびだんご、ソフトクリームに人形焼き・・・あちらこちらに脇目を振りながら宝蔵門までくると、その向こうに例の光景は見えてきた。

人だかりしたテントの中に無数に並べられた美しい羽子板の数々。毎年この時期になるとニュース番組のおしまいに、その年話題になった有名人の似顔絵を施した羽子板が、市の賑やかさとともに年末の風物詩として取り上げられる。まさにその光景だ。しかしこの羽子板市、実は東京でしか行なわれておらず、東京でもここ浅草での3日間のみなのだそうだ。 私は幼い頃から、つまり九州でもテレビで見ていただけに、それを知った時にはちょっと意外な気がした。

 羽子板市の賑わいに近づく前に、宝蔵門の手前にある小さなテントを覗いてみると、「有卦干支羽子板、福引付き五百円也」と書かれている。 うけえと?見るとごくシンプルな造りの羽子板に、来年の干支、乙未(きのとひつじ)と書かれている。そこで、お店のお兄さんに聞いてみた。
「有卦干支」ってなんですか?

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諸岡 なほ子
諸岡 なほ子
福岡県大牟田市出身のタレントで、現在、一児の母。作詞家(MONA)としても活動。趣味は読書、散策、落語鑑賞、お祭見物&参加。世界遺産検定2級取得。TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、MBS「住人十色」訪問者など多数出演。著書に『地球のどこかの秘境から』(実業之日本社)。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/nahoko/