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 息子が生まれてからすっかりメロメロになってしまっていた私は、咲き誇るつつじの根元にこっそりと駆け回る猫を見つけ、久しぶりに猫好きの自分を思い出した。そうそう、谷根千と言えば猫の街でもあったっけ。早い人はゴールデンウィークが始まっている4月末、私は数年ぶりに根津神社のつつじまつりを訪れてみた。


 新坂をのぼって行くと、右手に渋みのある赤い鳥居が姿を現す。背景には勢いを増す新緑の木々。一礼してそれをくぐり、少し細くなる参道を進むと、その先にぱあっと明るい境内が広がる。初夏の日差しで目を開けているのも大変なくらいだ。左手には白やピンクの花が咲き乱れるつつじ苑。正面には空の青を映す池の上に架けられた神橋と、その先にある美しい朱色の楼門。まるで竜宮城の入口のようだ。

甘酒と酒まんじゅうの誘惑に心揺れながら唐門をくぐり、権現造りの社殿の前までやってくると、透塀(すかしべい)に囲まれたその空間にほっと安心感を覚えた。今しがた見てきた地下鉄や電線の張り巡らされた町の景色とはまるで別世界。奥へ進むたびに美しいもので世界が変貌していくようだ。うむ、これだから神社めぐりはやめられない。特に根津神社は、社殿も唐門も、楼門も透塀も青銅の灯籠も、国の重要文化財に指定されており見応えも充分。私は清々しい気持ちで手をあわせてから、早速つつじ苑へと向かった。

 一口につつじ苑といっても、ここは2000坪の広大な敷地に100種3000株のつつじが植えられており、開花時期の異なる花が次々に開くため、4月~5月にかけて長い期間、花を楽しむことができる。私が訪れた4月末は遅咲きの大輪が多く花をつけていた。

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諸岡 なほ子
諸岡 なほ子
福岡県大牟田市出身のタレントで、現在、一児の母。作詞家(MONA)としても活動。趣味は読書、散策、落語鑑賞、お祭見物&参加。世界遺産検定2級取得。TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、MBS「住人十色」訪問者など多数出演。著書に『地球のどこかの秘境から』(実業之日本社)。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/nahoko/