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 真っ青な空の下、燦然と輝くお神輿のてっぺんの鳳凰。今年もこの季節が来た。5月は東京下町の祭の季節。神田に三社に、下谷に湯島に小野照崎神社。そこかしこで神輿が街を練り歩き、それが終わらないことには下町に夏はやってこない。

 秋葉原から人波をかき分け、長く急な階段をのぼり、私が神田明神の境内についたのは、お目当ての町会のお神輿が入ってくる予定の12時50分ちょうど。境内では今まさにどこかの神輿が拝殿前で高く差し上げられているところだった担ぎ棒に連なっている人たちを見ると、日に焼けた顔を喜びと神輿の重さでくしゃくしゃにしている。神輿の先導をする恰幅の良い50前後くらいの男性は、祭男の血気盛んな感じに落ち着きが加わり大人の色気が漂う。

「下がれ~下がれ~」「まっすぐ!」などと声をかけるも、すぐに神輿は威勢良く前に出ようとする。やっとやってきたこの日のこの瞬間をもっともっと楽しみたいと言わんばかりだ。

拝殿の前で高く神輿をさし、天に伸ばす人差し指。あー、なんで私はあそこにいないんだ。思わずそう思ってしまう。拍子木の合図でようやく神輿はしずまり、小気味良く響く一本締め。そして清らかな音が境内に響き渡る御鈴のお祓い。

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諸岡 なほ子
諸岡 なほ子
福岡県大牟田市出身のタレントで、現在、一児の母。作詞家(MONA)としても活動。趣味は読書、散策、落語鑑賞、お祭見物&参加。世界遺産検定2級取得。TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、MBS「住人十色」訪問者など多数出演。著書に『地球のどこかの秘境から』(実業之日本社)。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/nahoko/