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目線をアリに合わせ、3Dカメラで昆虫たちの世界を映しだしたドキュメンタリー映画『アリのままでいたい』が2015年7月11日より公開される。ダイナミックな昆虫の捕食、決闘の場面は、まるで“昆虫版『ジュラシック・ワールド』”。そのほかにも放尿などあまり見たことがない昆虫たちの日常が映しだされている。

本作で撮影総監督を務めた栗林慧は、「昆虫写真家として50年撮り続けてきましたが、いつか映画をやりたいと思っていました。一枚の写真だとそこに説明が必要になるのですが、映画はダイレクトに伝わる。また今回は3D(撮影)で設計した映画。立体で観てもらうと迫力が違います。カブトムシとクワガタが闘うところはすごいですよ」と念願だった企画の映画化に声が弾む。

1969年から生物生態写真家として活動し、これまで65冊以上の書籍を出版、2008年には紫綬紋章も受賞した重鎮。長年に渡ってたくさんの昆虫たちに密着してきた彼は、昆虫の表情についても、やはり人並みはずれた感覚を持っている。

「何をしようとしているのか、表情でわかるようになりました。4メートル、5メートル先から双眼鏡で見ている。すると、その昆虫が、獲物を狙っている顔をしているなとか、理解できるんです」

緑が少なくなったこと。そして、遊びの選択肢が増えたこと。子どもたちが昆虫と触れ合う機会は、昔よりは減っているように思える。

「昆虫と触れ合うことは、人間が成長する上で必要です。昆虫は命ある生き物ですし、昆虫と遊ぶということは、その命について知ることでもある。逃げ回る昆虫を捕まえるのはスリリングで楽しいし、昆虫遊びをしていると当然うっかり死なせてしまうこともある。そういう嫌な思いをするのが、大切なんです。そうすることで加減を学ぶ。それが友だちとの関係にも繋がるはずです。この映画で、昆虫の“生きている姿”を、子どもたちに観てもらいたい」

映画『アリのままでいたい』は2015年7月11日全国公開
◇公式HPはこちら


取材/文・写真 田辺ユウキ(映画評論家)

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田辺 ユウキ
田辺 ユウキ
1979年生まれ。関西を拠点に映画評論家としてレビューやインタビューの執筆ほか、また映画と音楽のプロモーターも務める。2014年に大阪市映像事業「CO2」プロデューサー就任。「大森靖子映画祭」「いずこねこ 最後の猫トーク」などイベント企画も行う。