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関連再生回数が4000万回を超える、人気ボーカロイド曲の世界観を映画化した『脳漿炸裂ガール』が全国公開中だ。本作は、お嬢様学校を舞台に、「真の卵」を見つけるために、女子高校生たちが謎解きゲームに強制参加させられ、最後のひとりになるまで次々と粛正されていく物語だ。

物語には、歌詞をモチーフにした台詞、場面がたくさん盛りこまれており、原作を知るファンは特に楽しめる内容となっている。主演を務めた柏木ひなた、竹富聖花はともに、この映画の出演が決まってから、れるりりが作った曲『脳漿炸裂ガール』を耳にした。

「『マカロン食べたい』というフレーズが特に印象に残っています。物語も、『怖いかな』と思うところがありますが、主人公の市井ハナ、稲沢はなは“一蓮托生(いちれんたくしょう)”で協力していくところも見どころで、スリルがあります」(柏木)

「曲の世界観が独特。リズムが早くて、でもフレーズがとても印象的。それを映画の世界観として作り上げている。曲を映画化、というあまりない作品だと思います。私も“一蓮托生”という言葉が好きなのですが、普段使わないワードをサラッと台詞の中で使っているところが、『おもしろい!』と感じました」

不条理な謎解きゲームに挑まされる女子高生たち。少しずつ、それぞれの素顔が浮きぼりになっていく。生き延びることができるかどうか、その瀬戸際になって、友だちを犠牲にしたり、腹の底では何を考えていたかが浮きぼりになる。女の子たちの上辺の友情、その残酷さがおもしろい。

「私の周りは、どちらかというと、はっきりしたタイプが多いかも知れません。ケンカをするときは、とことんやって、ジメジメしてない。私自身、嫌な気持ちになったときは、ちゃんと言葉にします」(竹富)

「でも、確かに女の子の“上辺だけ”という感覚はあると思います。表では仲良くやっていても、裏で何か言っていたり、そこが女子の怖いところ。私が所属する(アイドルグループの)私立恵比寿中学は女の子ばかりですが、みんなとても仲が良いんです。でも一度だけ、みんなで本音でぶつかりあったことがあります。『みんな今までこう思っていたんだ』と、それぞれの感情が見えたことは、グループとして大きい経験になりました。本音でぶつかりあうと、そこからそれぞれ考え方が変わり、今まで言えなかったことが言い合える仲になるはず」(柏木)

冒頭からはポップでガーリーな話に思えるが、サバイバルゲームがはじまると、容赦ないバイオレンスな場面が連続する。柏木、竹富はハードな描写について、大声で「無理(笑)!」と口を揃える。

「逆らったり、謎解きに失敗すると、銃みたいなもので頭を撃たれるのですが、そのとき脳漿が飛び出る。それを観て、『お、おおっ…』と固まった(苦笑)。残酷というよりも、気持ち的に、観たくないものを見せられる感覚」(柏木)

「そうそう。私もあの撃たれるところは、『わっ!』と思いました。序盤、女子高生たちが牢屋に閉じこめられるシーンがあるのですが、そこで反抗した女の子が撃たれるところは、特に怖かった。しかも、ぐちゃ、ねちゃっという効果音が入る。その音がすごくリアルなんです。そういう場面は、驚きながら観て欲しいです」(竹富)

映画『脳漿炸裂ガール』は全国公開中
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取材/文・写真 田辺ユウキ(映画評論家)

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田辺 ユウキ
田辺 ユウキ
1979年生まれ。関西を拠点に映画評論家としてレビューやインタビューの執筆ほか、また映画と音楽のプロモーターも務める。2014年に大阪市映像事業「CO2」プロデューサー就任。「大森靖子映画祭」「いずこねこ 最後の猫トーク」などイベント企画も行う。