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 なぜこんなにも特別なのかなと思う。硫黄の匂いの煙がたちこめた街、とにかく沢山の人、幼い頃の記憶、飛び散る火花、わっしょいの掛け声、巨大な赤い口。私は祭りのあいだ中、あんまりにも嬉しくて、ちょっとした刺激ですぐにあふれそうになる感情を抑えることにこっそり必死だった。これも年のせいかな(苦笑)。

 夫、息子と初めて私の地元への帰省をした平成27年7月25日夕方、祭の会場となっている大牟田の繁華街、大正町へと向かった。3人で大蛇山を見る日がきただなんて、それだけでもぐっときてしまう。しかし、そんな感慨に浸れるほど、1歳2ヶ月のこどもとの旅は優雅じゃない。

飲み物におやつに着替えにおむつと、相変わらずの大荷物。さらに、1歳を過ぎてからかえっておっぱいやだっこの要求が増えてきて、息子の甘えん坊に磨きがかかってきた。服をめくり上げられてあわやポロリなんてことも最近は珍しくない。しっかり脇を締めて挑まねば。

 会場へ向かう前に、私たちは三池藩大蛇山のYさんのいらっしゃる場所へ行き、三池藩の法被を2枚お借りした。

「これを着ていれば、観客と大蛇山を仕切るバリケードの中も自由に動けますよ」とのことで、私はお言葉に甘えることにしたのだ。

普段は遠く離れて住んでいるため、祭の準備などなんの役にも立てていない私なのに、今でもこんなに良くしてもらえることに深く感謝せずにはいられない。しかも、既に息子には「大蛇山Tシャツ」を送って頂いていた。息子はこれを身につけてのお祭り参戦だ。ワクワクする母につられて、初めての大牟田でも楽しそうにしている息子。まさか、後であんな目にあうとも知らずに・・・。

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諸岡 なほ子
諸岡 なほ子
福岡県大牟田市出身のタレントで、現在、一児の母。作詞家(MONA)としても活動。趣味は読書、散策、落語鑑賞、お祭見物&参加。世界遺産検定2級取得。TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、MBS「住人十色」訪問者など多数出演。著書に『地球のどこかの秘境から』(実業之日本社)。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/nahoko/