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 終戦1年後の1946年、東京大空襲からの復興祭として隅田川で流灯会(りゅうとうえ)が行われた。浅草に集まった縁者が手に灯籠を持ち、高張提灯を先頭に隅田公園の河岸まで行列して歩くと、亡くなった人を偲びながら灯籠をひとつひとつ川に浮かべたと言う。これが年々盛んになり、花火があげられたり、吹奏楽の演奏が行われたり、海外からの観光客も含め数十万と言う人々が川の両岸に集まったりと、隅田川に漂うたくさんの灯籠はいつしか下町の夏に欠くことのできない風物詩となっていった。

 しかし、時を経て川と人との関係は変わってしまう。護岸工事によって川岸がコンクリートで覆われてしまうと、流灯会は1865年を最後に見られなくなってしまった。が、それから40年。隅田川親水テラスが整備されると、再び川と人との関係は近づき、魅力的な水辺空間の実現を目指して、2005年にとうろう流しが再開された。


 再開後11回目の今年は8月15日の終戦の日に、隅田川の川面にたくさんの灯籠が流された。昼間のニュースでは、全国戦没者追悼式での天皇陛下のおことばや、前日に出された首相談話について報じられていた。そうでなくてもこの数日は、ほたるの墓などのアニメや戦時中を描いた映画やドラマが放映され、東京大空襲や広島・長崎の原爆に関するドキュメンタリー、ワイドショーでも硫黄島からの生中継などが組まれ、誰もが何かしら戦争について考えさせられる神妙な空気の流れる日々だった。

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諸岡 なほ子
諸岡 なほ子
福岡県大牟田市出身のタレントで、現在、一児の母。作詞家(MONA)としても活動。趣味は読書、散策、落語鑑賞、お祭見物&参加。世界遺産検定2級取得。TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター、MBS「住人十色」訪問者など多数出演。著書に『地球のどこかの秘境から』(実業之日本社)。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/nahoko/