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アジア圏で広く支持されたドラマ『イタズラなKiss~Love in TOKYO』、NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』などを経験し、役者として着実にステップアップしている古川雄輝。今回の主演映画『風の色』では、失意のどん底からマジシャンとして再生する青年・涼、パフォーマンス中の事故によって命を落とした天才マジシャン・隆の二役に挑戦。ふたりの運命が交錯していく物語を、『猟奇的な彼女』のクァク・ジェヨン監督たちとともに作り上げていった。
アジア圏で広く支持されたドラマ『イタズラなKiss~Love in TOKYO』、NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』などを経験し、役者として着実にステップアップしている古川雄輝。

今回の主演映画『風の色』では、失意のどん底からマジシャンとして再生する青年・涼、パフォーマンス中の事故によって命を落とした天才マジシャン・隆の二役に挑戦。ふたりの運命が交錯していく物語を、『猟奇的な彼女』のクァク・ジェヨン監督たちとともに作り上げていった。

瓜二つの男性を演じたことについて、古川はまず「涼は優しい雰囲気で普通の青年。一方の隆はクール。あえてその程度の雰囲気作りにとどめておきました。仕草などの特徴部分は、芝居をしながら後々についてくるだろうと考えていました。僕自身、こだわりや設定を作り過ぎると(芝居が)良くなくなってしまうタイプ。あまりに、自分なりに設定を作り過ぎても、映画を観る人には伝わらないと今は思っているんです」と出来るだけ流れに身を任せたという。

「随分前になってしまうのですが、一時期(役の設定作りに)こだわり過ぎたというか、マニアックな方向に行ってしまって。そのときは、『これで正しい』と自分では思っていた。でも、芝居を見ている人にそれが届いていないんじゃないかと疑問を抱きはじめたんです。インタビューなどで、『あのときの仕草はこういう意味があって』と補足をすれば分かってもらえるけど、でもそれは表現としてダメですよね。そこで一旦、役の設定を作り過ぎる作業はやめました。だけど毎年、芝居で得た感覚や知識によってアプローチは変わっていくものなので、来年にはまた違ったやり方をしていると思います」

涼は、目の前から消えた恋人の思い出の品との出合いをきっかけに、マジシャンを目指すようになる。そこで特訓を重ね、思わぬ形でマジックの才能が花開いていく。ちなみに古川は、涼のような隠れた才能について、「僕は何も持っていないんですよ」と苦笑いする。

「才能や特技が全然ないんです。麻雀が趣味なのですが強いわけでもないし、何をしても一番になったことがない。昔はダンスをがんばっていたけど、もう8年もやっていないので今は特技と呼べませんし」

演じることについてはどうですか?─と尋ねてみても、「いえいえ。演技って本当に難しいです」と首を横に振る。古川は、演技に対して満足をしている気配が一切ない。ストイックな印象だ。

「例えば、今回はうまくいったと自信が生まれても、次の現場では納得できる芝居が全然できない。その繰り返しばかりです。でも、それは当然のこと。なぜなら毎回、役が違うから。自信がついたと思っても、次はまたゼロからのスタートを心がけています。まるっきり同じ役なんて、一つもないですから」

ちなみに、古川が現在─もっとも難しい─と感じている役は何だろうか。

「僕は絶対的に、後輩キャラが不得意だと思います。先輩にかわいがってもらうような、あのフレッシュな感じがなかなか出せない。学生の頃、実際に先輩と接するのが苦手だったんです。その意識が出ちゃう気がします。あと、技術的に難しいと感じたのは、方言の台詞。2度経験があるのですが、発音をつかむ作業がかなり苦労して、ものすごく練習したんです。後輩キャラ、方言、この二つに共通して言えることは、プライベートで自分が経験していないこと。それが、役に反映されてしまうということは、自分は本当にまだまだなんです。もっと勉強や経験を重ねて、苦手を克服していきたい。いつか、方言を話す後輩キャラをやりたいですね(笑)」

後輩キャラも、方言の台詞も、実際には大きな違和感はないかもしれない。ただ彼自身、とにかく自分に厳しい。まわりが─すごい─と言っても、きっと「いえ、まだまだです」と答えそうな様子だ。でも、どん欲だからこそ、古川がこれからどこまで役者として伸びていくのか、本当に楽しみで仕方がない。
文・写真/田辺ユウキ(映画評論家)
ヘアメイク 藤井康弘
スタイリスト 五十嵐堂寿






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